以前に同志社大学で講演をさせていただた時にお世話になった教授の清瀬みさをさん編著の「カルチャー・ミックス III」の中でカールベンクスの古民家再生について紹介されています。まつだいの事務所や再生古民家の現場まで調査研究にいらっしゃった岡林洋さんが
「第一章 美学的観点からの問題提起:「絶景」に「住まう」は可能か」の中で、深く詳細な考察で、カールベンクスの古民家再生の意図と独自性について書いています。例えば、
ベンクスの造形意志 ― 【双鶴庵】と【立正佼成会セミナーハウス】-
岡林 洋
筆者は再生古民家のリズミカルな木組みの空間の構成から、彼の造形意志を感じたことがある。それは冒険的な造形を恐れない、建築構造の合理性や機能性に打ち勝とうとする精神である。
注文主の美山の茅葺屋根を取り入れて欲しいとの求めに応じてドイツ人建築家からデザインが提出されたが、その「美山の屋根の取り入れ方は独特のもの」であったという。野沢昌夫(古民家再生を専門とする建築家)によれば日本人なり彼自身が「それをやるのであれば明らかに違うものになった」はずであった。
岡林 洋